千歌です。江澤隆行さんのピアノコンサートに行ってきました。ホールは、小田急線町田駅近くの町田市民フォーラムホール。15時開演でした。
2年前、2018年の夏、このホールでピアノコンサートが開かれました。その際は、ソプラノの小林厚子さんやバリトンの坂下忠弘さんがゲストで出演されていましたが、今回はお一人で、軽快なお話を交えながらのコンサートでした。
主催のかしの木山NeXTさんは、2012年6月から東日本大震災チャリティコンサートを開催されていらっしゃいますが、今回は前回の時とは違った趣向でした。冒頭のご挨拶で「震災に見舞われた方々に思いを馳せながら、今年、コロナウイルスの対応で頑張った自分に癒しを」との思いで江澤さんのピアノを聞くというコンサートを企画したとのことでした。
1曲目はスカルラッティのソナタ K.380。この曲は、入院中にずっとCDで聞いていた曲の一つなので、思い出深く生の演奏を聞くのは初めてで素敵でした。江澤さんのトークで、チェンバロのために作られた曲と伺い、いつか江澤さんのチェンバロも聞いてみたいと思いました。
2曲目はクーラウのソナチネ 作品20-1。ソナタもソナチネも江澤さんが学生時代に弾き、今振り返って良い曲だなと思い、新たな気持ちで弾きたいと思われた曲なのだそうです。江澤さんの今回のテーマは、思い出を辿るコンサートでした。
3曲目は、今年生誕250年のベートーヴェンのピアノソナタ第17番 テンペスト 作品31-2。テンペストは、大好きな曲なのですが、初めて最初の楽章から聞きました。
なんと江澤さんは20年程前、あのテレビ朝日「相棒」でおなじみ水谷豊さんと共演されたことがあるそうですよ。山口百恵さんの赤いシリーズの中で水谷さんはピアニストの役でこのテンペストを弾くという設定で、江澤さんはピアニストとしての動きなどの演技指導とピアノ部分の手を撮影されたそうです。思い出深い曲ですが、弾くのは初めてだったそうです。もちろん、素晴らしい演奏でした。
メンデルスゾーンの無言歌集より
甘い思い出 作品19-1
ヴェネツィアのゴンドラの歌 作品30-6
狩人の歌 作品19-3
シューマン 幻想小曲集より
飛翔 作品12-2
ショパン
ノクターン第2番 作品9-2
英雄ポロネーズ 作品53
盛りだくさんの内容で、時に優しく、時に激しく、緩急があり、響きの美しい音色はまさに心にしみる音色と言えると思いました。コロナウイルスの影響で多くのコンサートがなくなり、配信やオンラインコンサートも多く企画されていますが、やはり生演奏に勝るものはないと思います。演奏者の迫力、その空気感やホールならではの響きは、偉大な作曲家たちの思いも存分に伝えられると思うから。機械を通さずに作曲された曲の数々はその時代の響きであり、どんなに素晴らしい演奏も機械を通すことで違った響きに聞こえるような気がします。
千歌が配信やオンラインコンサートを聞かせて頂くときは、昔ながらの音楽を聴くのではなく、新たな音楽への挑戦・発見だと思って聞いています。まだまだ技術が私たちの思いに届いていないようですが、こういう過渡期に遭遇することも滅多にないので、発展を楽しみにしています。新たな芸術文化の誕生と言えるかもしれませんね。
江澤さんの次回のピアノコンサートは、来夏に予定されているようですよ。コロナウイルスが落ち着いた頃とのことなので、また詳細が分かりましたら、お知らせしますね。
そして、江澤さんが音楽監督を務めていらっしゃる八王子コミュニティオペラ ガラコンサートが2021年1月9日(土)八王子のいちょうホールで行われるそうです。カルメンが原語で聞けるようですよ。また、その他にもレクチャーコンサートなどがあるようです。今から楽しみです。詳細が分かり次第、ブログでお知らせしますね。
千歌でした!